小学校3年生も終わりを迎えるころになると中学受験を考えるときには新4年生として中学受験対策を意識しなければいけない時期になります。二十数年前にはなりますが私も中学受験をした身として、子供にも挑戦させようと思っているところです。
さて、様々なところで小学生のこの時期に中学受験のために時間を使うことが良いのかどうかという論争がありますが、自身の経験から思うところです。
- 同じくこれから中学受験に臨もうとする親御さん
- すでに受験勉強に突入している親御さん
受験者数は実はそこまで増えてない!?
詳細な数字はWebで調べて頂くのが良いですが、現状約5人に1人という割合で中学受験をしている小学生がいますが、学校自体が大きく増えていないことが象徴するように、人数は多少の増減はあれど約4~5万人の中で推移。ただ、少子化は進んでいるので割合としては増えていることから、身近で中学受験する子供が多いような印象になっているのはその影響です。
中学受験をした身として何がよかったか?
私自身が子供のときのことなので、その時代のことである点はご容赦頂きたいですが、当時は小学校5年生からでも十分間に合うようなプログラムで、約2年勉強したことで無事に第一志望校に入ることが出来ました。かなり順調に過ごすことが出来たことから、想定以上に苦労した友達もいるのもまた事実です。とはいえ、苦労する面がある一方でうまくいくときには良さがあることも同じバランスで把握していただくための助けになればと思います。
中高一貫というプログラムの良さ
中学受験をして進学する学校の多くが中高一貫校です。中学3年間と高校3年間が一体となった6年制です。高校受験をする必要がないことから、中学3年生を充実した時間で過ごすことが出来、また学習カリキュラムも早く、大学受験の準備がしやすいのが特徴です。
高校受験がないことのメリット
やはり中学3年生という部活に打ち込むにしても、なんか趣味に没頭するにしてもある程度行動範囲や自分のやりたいことが自分で考えられる年齢での時間というのはとても良かったと思っています。とはいえ、実際には部活に打ち込むような人もいれば、中だるみと呼んでますが部活はさぼり気味で校外で遊んだりすることに精を出す人もいます。中学受験をしている人からするとあまり勉強も難しい時期ではないので、自由に打ち込める時間としてはとても価値ある時期です。
また高校受験では、推薦もありますが、進学する学生の多くがいずれかの高校へ受験で進学を決めます。高校受験に賭ける人は中学1年生から塾に通って勉強に励んでいる人もいます。中学では部活に入らずに。普段同じクラスで過ごしている人たちと競いながら高校受験に挑んでいくというのは、切磋琢磨といえばよい環境ですが、強いプレッシャーに感じるケースも出てくると思います。このあたりはお子さんの適性もあるでしょう。
学習ペースが1年早い
中学受験の勉強の中で基本的な各教科の知識と考え方を勉強していることもあり、進めやすいという点もありますが、大体中学3年間の学習過程を2~2.5年くらいで終えてしまい、中学生のうちから高校の勉強を始めます。高校受験が必要ないのでその分インプットとしては先に進むことが出来るのもあります。これによって大学受験に必要な知識は高校2年生から3年生の前半には終わります。残りの時間を大学受験にあてることができるので、おのずと現役で合格するチャンスが増えることになります。大学受験の場合、特に国立で必要な科目数であったり、難易度が高い高3の単元についてしっかりと学習することが出来るのは現役で大学に行くためには好条件であることは間違えないです。周囲の環境も中学受験をしてきていることから家庭を含めて比較的似ている傾向もあり、がんばりやすいという感じは私自身も感じました。
ただ1点注意することありまして、中学受験をしていると小学校の勉強はあまり困らないくらいの状況にあり、結果としてクラスの中でも勉強はできるほうにみられることが多いですが、中学に入ると当然ながら同じレベルの同級生と一緒に過ごすことになるので、相対的に自分の学力が低く思ってしまうこともあります。中にはすごく要領がいい人がいたり、地頭がいい人がいたりと自分に劣等感を感じることすらあります。客観的にみればそういったレベルの環境にいることは恵まれた環境ではありますが、なかなかここが折り合いをつけにくいところだったりもするので、そこが難しさの一つですね。自身を振り返ってみますと、そういったことに悩む時期もありますが、やはり環境が子供を育ててくれるのか、まわりの雰囲気に後押しされて結局がんばれたというのもまた一つの事実です。
親子で取り組めるイベント
二人三脚での勉強
親御さんからするととても時間を取られることでもありますし、中学受験をしたことがない親御さんからするとこんな難しい問題を小学生で解かなければいけないのかと思うこともあり、親自身が勉強しないといけないことも出てきます。ただ、そんな中で話は勉強のことであったとしても、これがなければ会話をしなかったようなタイミングで一緒にいたり会話をしたりということが出来る機会でもあります。中学受験では土曜日曜も塾があったり、春休み/夏休み/冬休みなども講習三昧・・・。お迎えこそ私の場合はなかった環境ですが、毎度お弁当を作ってもらったりと。
志望校を学校見学にいったり文化祭に行ったりと、いろいろな催しに一緒に行くこともまた異なる経験でもあります。模試の結果に一緒に一喜一憂したりというのも、一つの目標に向けて一緒にがんばっていることを感じることが出来るのではないでしょうか。きちんと勉強をしないときや、同じ間違えを繰り返しすることで、怒ることやもめることももちろん多々ありますが・・・。
まとめ
中学受験に対して否定的な人は、小学校時代の詰め込み?とも思われる勉強に対して懸念を述べる方が多いですが、中高一貫校での生活という将来の過ごし方に目を向けると、またそれはそれでメリットがあることも十分に理解して頂けると思います。学歴がすべてではないですが、勉強はつまづきやすいものの一つなので、小学校のうちに親子でがんばるという形がよいか、中学生になって本人の意思で頑張らせるのがよいのか、そういった教育方針にも通じるかと思います。